研究課題/領域番号 |
17K02200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
永野 拓也 熊本高等専門学校, リベラルアーツ系人文グループ, 教授 (80390540)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ベルクソン哲学 / 関係 / 全体と部分 / 構造 / 部分と全体 / 生成 / 数学的構造 / 哲学 |
研究成果の概要 |
本研究費により、変化の哲学であるベルクソンの思想が、一見すると生成とは対極にある、不変かつ純粋な関係性としての数学的な概念とどのように対峙するかについて、一定の展望を得ることができた。すなわち、①ベルクソンは確率・統計学的な概念を介して、数学的な関係性を生成のうちに読み込むのは避ける。②ベルクソンは、部分の和ではなく、部分を包括し、部分の交代にも関わらず維持される構造として「全体」を理解する。数学的な関係性と生成は、構造としての全体という性格を共有する。このため①のような投影が可能に見えるが、生成はその動的性格によって数学的関係性と区別される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、国内外のベルクソン哲学研究の深化・進展に一定の役割を果たした。初年度の国際シンポジウムにおける発表は、共著書掲載の論文の形で刊行されシンポジウム主催者から高く評価された。次年度のフランスにおける研究発表を論点共有のたたき台とし、最終年度には東京においてワークショップを主催した。この際に発表者の発表と討論を通して展開された、生成の構造や動的性格をめぐる議論は、今後のベルクソン研究のために一つの端緒を与えたと考えられる。最終年度はさらにフランスで数理諸科学とベルクソン哲学との接続を探るシンポジウムにおいて発表し、この領域における議論の進展に一定の貢献するこことができたと考える。
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