研究課題/領域番号 |
17K02209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
永冨 青地 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329116)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 佐藤一斎 / 大塩中斎 / 大学古本傍釈 / 大学古本序 / 挿注 / 古本大学刮目 / 陽明学 / 文献学的研究 / 日本陽明学 |
研究成果の概要 |
本研究においては、佐藤一斎および大塩中斎が、王守仁(王陽明)の著作について、近代的なテキスト・クリティークの手法を駆使してそれを解明していった様を明らかにし、あわせて二人が長崎から流入する唐本を利用しつつ、版本校正を進めていった様を描き出した。 これらの観点は、本研究による諸論文の発表後、多くの陽明学・日本思想研究者より賛同を得ることができた。また、本論文においては、佐藤一斎による「挿注」が、単なる注釈にとどまらず、従来の訓点から、近代的な翻訳へとつながる可能性を有する、画期的なものであったことを明らかにした。この観点は、特に江戸期における訓点の研究者から賛同を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本においては、江戸末期に至るまで、中国の学問を輸入し、それを理解することが学問の主流であった。しかしながら、江戸期の日本の陽明学者が、いかに中国の陽明学を分析したかということは、基本的な問題でありながらも従来軽視されてきた。本研究においては、江戸後期における最大の陽明学者である佐藤一斎及び大塩中斎を主題として、彼ら二人が長崎から流入する唐本を通して、王陽明の思想を如何にして分析していったかを見ることにより、日本における外来思想の受容の意義を探ってみた。また、従来、江戸期の漢文の読法としては訓点のみが注目されてきたが、近代的な翻訳へと繋がる可能性を有する、挿注という読法を学界に紹介した。
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