研究課題/領域番号 |
17K02213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐久間 秀範 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90225839)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スティラマティ / 安慧 / 堅慧 / 中国唯識教学 / 日本法相教学 / 註釈家スティラマティ / ヴァラビーのスティラマティ / Sthiramati / ヴァラビー / 玄奘 / 窺基 / 普寂 / 銅板碑文 / 考古学資料 / 印度哲学 / 瑜伽行唯識思想 |
研究成果の概要 |
玄奘の『大唐西域記』ヴァラビーの項にある「堅慧」を註釈家スティラマティおよび中国唯識教学・日本法相教学の安慧と混同したいきさつを辿り、この三者が別人であることを解明した。誤解の発端は玄奘の弟子窺基が玄奘の漢訳「堅慧」を「安慧」と言い換え、しかも註釈家スティラマティと結びつけてしまうのに十分な情報を盛り込んだことにある。現代の仏教史を描くに当たって、日本の江戸時代の研究で華厳教学系統の「堅慧」とこの「安慧」とを混同し、ヨーロッパ仏教学にも影響し、三者が同一人物とされることになったことを突き止めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来仏教史の中で瑜伽行唯識思想の歴史的成立過程などが玄奘の『大唐西域記』など中国の報告書や中国唯識教学・日本法相教学の伝える伝承によって描写されてきた。しかし、新たなサンスクリット語写本の発見も手伝い、再度サンスクリット語原典を注意深く吟味する中で、これまでの考え方が通用しなくなってきていた。本研究ではその中から安慧を取り上げた。従来、註釈家スティラマティとヴァラビーのスティラマティ、その漢訳「堅慧」「安慧」が同一人物とされてきたが、原典を吟味した結果、それぞれ別人であることを解明した。従来の仏教史を根本から書き直す証拠を提示した。
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