研究課題/領域番号 |
17K02214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉水 千鶴子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (10361297)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | チベット仏教 / 中観思想 / カシミールの仏教 / 中観帰謬派 / 中観明句論 / 帰謬論証 / 他生の否定 / 中論 / 中観派 / シャーンタラクシタ / カマラシーラ / パツァプ・ニマタク / 帰謬派 / 自立論証派 / 中論釈 / シャン・タンサクパ / 中観自立論証派 / 仏教学 |
研究成果の概要 |
インド大乗仏教の一学派である中観派は「帰謬派」と「自立論証派」に分けられるが、その区分を行ったのは、11世紀後半にカシミールで学んだチベット人学者パツァプ・ニマタクであることが、彼の著作『根本中論般若釈』の解読により確認された。本研究は、その意図が、8世紀の中観学匠にしてチベットに仏教を伝えたシャーンタラクシタとカマラシーラ師弟が構築した仏教内外の諸学説を批判し、その最高位に中観学説があることを論証する方法に倣いながらも、パツァプが翻訳してチベットへ伝えたチャンドラキールティ(7世紀)の中観帰謬派の学説を彼らの自立論証派説よりもさらに上位にあることを証明しようとしたことにある、と明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、未解読のチベット語手書き写本であるパツァプ・ニマタク著『根本中論般若釈』とその弟子シャン・タンサクパ著『中観明句論釈』を資料として用い、それまで伝承に頼ってきた帰謬派の出現とその背景を明らかにした点で、学術的意義は大きい。帰謬派の創始者とも言えるパツァプが、チャンドラキールティの著作をチベット語に翻訳しながらその学説をそれまでチベットで尊重されてきたシャーンタラクシタとカマラシーラの中観学説と区別し、自分はチャンドラキールティに従う中観帰謬派であるという自覚を持って、帰謬という名称の由来である帰謬論証を、新しい論理学を用いてアップデートしたことの解明も重要である。
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