研究課題/領域番号 |
17K02220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
清水 洋平 大谷大学, 真宗総合研究所, 研究員 (50387974)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | タイ仏教 / 東南アジア仏教 / 上座部仏教 / 積徳行 / アーニサンサ / 貝葉写本 / パーリ語文献 / 蔵外文献 / 功徳 |
研究成果の概要 |
①ほとんど知られてこなかったアーニサンサ(積徳行)文献群について、文献の全体的な系統が整理されたデータベースを構築した。②タイ仏教の特徴的な現実相との対応が読み取りやすい5つのテクストを選定し、コーム文字からローマ字に転写し、パーリ語から日本語へ翻訳した。この作業により、未解明であったアーニサンサ文献の内容を明らかにした。③『サッバダーナ・アーニサンサ』は4種のヴァージョンが存在する。それらの比較研究を行い、各版の関係や存在理由、並びに厳格な仏教教理の立場とは異なるタイ仏教の現実相の一面に対して、同文献がどのような仏教的根拠をどのような伝統的パーリ仏典に求めていたのかを捉えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アーニサンサ文献は、東南アジアの仏教文化理解において重要である積徳行について、その文献的根拠を証する資料として一部に知られ、その研究の必要性が指摘されてきた。だが貝葉写本としてのみ存在することから実態は不明のままであった。本研究によりアーニサンサ文献の全体像が把握され、上述のような文献研究が進められたことは、タイ仏教における「積徳行」の文献学的な実証が可能になったことを示す。そして東南アジア撰述文献の展開までをも含めた新たなパーリ仏典発展史の一端を明らかにできるのである。 本研究成果は、社会学や歴史学の立場からなされているタイ仏教の現実相の研究に基礎資料と新たな知見を提供することに繋がる。
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