研究課題/領域番号 |
17K02235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小原 克博 同志社大学, 神学部, 教授 (70288596)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 宗教倫理 / 科学技術 / 世代間倫理 / 環境問題 / 人工知能 / 新型コロナウイルス / 公共性 / 良心 / 気候変動 / 未来世代 / 食 / 犠牲 / 記憶 |
研究成果の概要 |
本研究は、「不在者の倫理」の概念を提唱し、現在世代の人間中心的な利益追求を超える新たな視点を開くことを試みた。「食の倫理」「犠牲の倫理」「記憶の倫理」をその基盤として考察し、人間の身体性、世代間倫理、そして人工物と人間の相互作用などを検討した。また、良心概念を拡張し、未来世代や大地(地球環境)、人工物(AIやロボット)と「共に知る」こと(conscienceの原義)の倫理的な重要性を考察し、これらが過剰な人間中心主義や現在世代中心主義を克服する可能性を示唆した。現代日本の社会状況を踏まえながら、公共圏における宗教の位置づけと宗教リテラシーの必要性についても考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「不在者の倫理」という新たな視点を提示した。学術的には、倫理学、神学、宗教学、AIや環境科学などの交差点に位置し、各分野の知見を融合し、既存の枠組みを批判的に再評価する可能性を提供した。これは現代社会における倫理的課題の深層を探求する手法として有効であり、本研究の学術的意義であると言える。社会的意義は、環境問題や人間の消費行動、世代間倫理など、現代社会が直面する課題への対処方法を示している点にある。一つひとつの課題を個別に取り扱うのではなく、その全体像を「不在者の倫理」という視点から見据えることにより、社会の持続可能性と公正さを考慮に入れた長期的な視点を提供することができた。
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