研究課題/領域番号 |
17K02252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 名誉教授 (30207980)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 思想史 / 科学史 / ニュートン主義 / 啓蒙 / 近代思想 / ニュートン / 社会科学 / 社会科学史 / 経済学 / 知性 / エコノミー / 近代思想史 / 文明批判 / ソーシァリティ / 知の科学化 |
研究成果の概要 |
ニュートン主義は固有の自然科学の領域を超えて、18世紀の知的世界を形作る一つの力として機能した。それは第1に、それが提示する、近代科学の数理的・実験的方法が、知識人による宗教的熱狂主義批判と結びつき、次第に公的言説圏で、経験と論理の言語のみで記述される「現実的なもの」の「文法」として働き始め、それによって「空想」から「現実」が明確に分岐し、そのうえで人間論と政治・経済・社会の見方、および技術と政策の言説が組み立てられるようになったという、知の科学化、第2に、無限宇宙の中の無数の世界というキャンバスの上で、人間存在に知的生命としての普遍性を見ることを求めた天文学的複数性論の2点についてである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は現代思想の啓蒙批判にしばしばみられる、19世紀以後の通俗的な啓蒙像を排しつつ、申請者がかかわってきた東西18世紀の比較研究の成果を取り入れ、ヨーロッパの啓蒙の固有性を「知の科学化」に求め、人間の「二重のソーシャリティ」の把握が、社会科学の建設と、その視点からの文明の再構築へと展開したととらえ、それらに対する批判(反ニュートン主義)への言及によって、現代にまで継承された啓蒙の普遍性とその錯誤を同時に示す。その点で本研究は、歴史内在的な啓蒙研究の成果を踏まえながら、それを乗り越えようとする試みであり、その結果は、近代思想史に新しい遠近法をもたらすと予想される。
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