研究課題/領域番号 |
17K02258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
後藤 正英 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (60447985)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | メンデルスゾーン / 啓蒙主義 / ハスカラ / 寛容 / ジョナサン・イスラエル / 世俗 / ユダヤ教 / マイノリティ / 国際共同研究 / カント / ローゼンツヴァイク / ユダヤ人 / 宗教 / スピノザ / 国際研究交流 / ドイツ古典哲学 / 急進的啓蒙主義 / 思想史 |
研究成果の概要 |
著名な歴史家ジョナサン・イスラエルは、啓蒙主義におけるラディカル(急進的)とモデレート(穏健的)の対立関係を重視し、ラディカル啓蒙主義こそが現代の民主主義社会を生み出したのであると主張した。それに対して、本研究課題では、18世紀ドイツのユダヤ哲学者モーゼス・メンデルスゾーンの啓蒙思想に注目することで、モデレート啓蒙主義も現代の自由で多様な社会の成立に大きな影響を与えていることを明らかにした。ファイナーやゴットリープが指摘するように、メンデルスゾーンが展開した様々な議論は、現代のイスラエルが抱える文化闘争や、現代の欧米における移民問題の先駆的な形態であるといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メンデルスゾーンのモデレート(穏健的)啓蒙主義の立場は、啓蒙主義が作り出した諸概念(理性・自由・寛容)は、狭義の世俗性を欠いていたとしても存立しうるものであることを示している。ユダヤ教と西洋近代を両立させようとしたメンデルスゾーンのプロジェクトは、現代ヨーロッパのムスリムの移民をとりまく諸問題を考える際にも、大きなヒントを与えるものである。 研究課題の遂行中には、ユダヤ啓蒙主義やユダヤ思想の研究分野で世界的に著名な研究者を招聘し、研究交流の国際的ネットワークを広げることができた。さらに、講演原稿の翻訳を雑誌に掲載したことで、最新の研究成果を日本語で読める環境を整備することができた。
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