研究課題/領域番号 |
17K02259
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 亜細亜大学 (2018-2019) 秋田公立美術大学 (2017) |
研究代表者 |
池亀 直子 亜細亜大学, 国際関係学部, 准教授 (10359698)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 天才 / 独創性 / 能力評価 / 優生学 / 障害 / 芸術教育 / 社会的排除 / 社会的包摂 / 異才・天才 / 優生思想 / 芸術的才能 / 排除と包摂 / F.ゴルトン / H.エリス / T.ウェッジウッド / 芸術思想史 / 天才・異才 |
研究成果の概要 |
本研究は、近代社会の能力論における排除と包摂の問題について、芸術における「独創的天才」の概念や、優生思想と病理や障害の関わりから考察した思想史研究であり、19世紀末から1940年代頃までのイギリスと日本における優生思想、教育思想、芸術思想を分析対象とする。 啓蒙活動による「優等種」の選別と継承を目指す「積極的優生学」と、避妊や断種による産児調節・制限で「劣等種」の断絶を主張する「消極的優生学」における芸術や学問の「天才」の扱いを分析して貧困層や遺伝疾患、障害が「劣等種」として排除の対象とされる傾向を明らかにし、人間の能力の多様な評価と社会的包摂に向けた今日的展望について考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義、社会的意義は、第一に近代社会の業績主義的な能力評価に潜在する排除の傾向を明らかにしたこと、第二に「天才」や「障害」など、これまで限定的に評価されてきた能力に対する多角的な評価軸の構築を試み、障害者を含む個人の多様な能力の育成に向けた今日的展望を示していることである。 人間の優れた能力への憧憬や称賛が、人間存在の選別という優生思想に展開し、特定の人々を排除することの正当化に与しうる危険性を明らかにしたうえで、異なる視点を提示しより多様な社会的包摂の可能性を探っていくことに今日的な意義がある。
|