研究課題/領域番号 |
17K02265
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
曽田 長人 東洋大学, 経済学部, 教授 (50568053)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 人文主義 / 古典研究 / 思想史 / 戦争協力 / ナチズム / 古典文献学 / 西洋史 / 西洋古典 |
研究成果の概要 |
ドイツの人文主義者はナチ体制に対して、抵抗から傍観を経て協力に至るまで様々な態度を取った。本研究は当時のナチズムへの抵抗、傍観、協力を代表する古典文献学者としてK. v. フリッツとK. ツィークラー、W. イェーガー、R. ハルダーをそれぞれ考察の対象とした。そして彼らのナチズムとの関わり、その学問的・思想史的な背景を検討した。さらに、ドイツ第三帝国におけるスパルタ受容を考察した。検討の結果、ナチズムへの傍観や協力に傾いた人文主義者は古代ギリシアの規範の立ち上げ、他方ナチズムへの抵抗に傾いた人文主義者は歴史学的-実証的な方法に強い関心を寄せたことなどが、明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本で従来研究されることのなかった人文主義者とナチズムとの関わり、ドイツ第三帝国におけるスパルタ受容を詳しく検討したに留まらない。その関わりを、新人文主義において統合されていた二つの契機の分解として捉えることで、ドイツの思想史の中に位置付けた。二つの契機とは、一方で古代ギリシアを模範とした人間性に基づく価値の立ち上げ、他方でその歴史学的-実証的な吟味のことである。後者や第一次世界大戦などの結果、人間性という価値はドイツ社会の中で空洞化してゆく。そういった中で、新たな価値の立ち上げという点でナチズムの台頭が近代ドイツの人文主義の展開と不可分であったことを跡付けた。
|