研究課題/領域番号 |
17K02267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
林 みどり 立教大学, 文学部, 教授 (70318658)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 記憶 / 共同想起 / 人権侵害 / ポスト移行期 / 軍事独裁政権 / ポピュリズム / 集合的記憶 / 精神分析 / 文化的記憶 / ホロコースト言説 / フェミニズム運動 / #NiUnaMenos / 五月広場の母たち / 家父長制資本主義 / ニ・ウナ・メノス / 潜勢力 / フェミニズム / アイデンティティ・ポリティクス / 伝統医療 / 資本主義 / 動物磁気術 / ポスト軍政期 / ホロコースト / ドイツ / 南米 / ミュージアム / 歴史叙述 / トラウマ / アート / 被害者表象 / 博物館 / 思想史 / 外国文学 / 政治学 / 文化論 / 社会学 |
研究成果の概要 |
ポスト移行期の南米地域において、軍政時代についての「文化的記憶」を生成させた想起の政治のダイナミズムと共同想起のメカニズムを分析した。ローカルな集合的記憶形成・共同想起だけでなく、ホロコーストを中心とするグローバルな記憶言説とローカルな記憶形成がどのように切り結び、再文脈化されたかに焦点を当てた。アルゼンチンの「記憶博物館」の表象戦略分析を行ったほか、芸術作品における政治戦略の理論的整理を行い論文として上梓した。また、文化的記憶を政治的資源に利用しつつ展開されてきた新たな社会運動の言説を分析し、精神分析的な知の文化が重要なアクターとして機能したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民主化移行期には修復的正義実現のために集合的記憶形成は必要不可欠とされてきたが、ポスト移行期に入ると共同想起の「質」が問題になる。本研究では、これまであまり研究されてこなかったポスト移行期の南米社会において形成過程にあった「想起の文化」の内的ダイナミズムとその問題点を明らかにした。またグローバルな記憶言説との相互作用を分析し、「想起の文化」の「グローカル」な側面を解明した。さらにナショナリズムに収斂される記憶の正統性をめぐる言説を脱中心化する想起の営みの可能性を探り、記憶研究の新たな方向性を示した。
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