研究課題/領域番号 |
17K02274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
須沢 かおり ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (50171195)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キリスト教霊性 / 女性神秘家 / 修道院 / 中世から近代へ / 個の発見 / 身体性 / 内面化 / 実存化 / 情緒的表現 / 女性の言語表現 / 女性神秘思想 / 中・近世のヨーロッパにおける宗教運動 / キリスト教神秘主義 / ジェンダー論 |
研究実績の概要 |
今年度も中世から近代にかけての女性神秘家についての資料収集、研究を継続した。フランスではコンピエーニュ、アミアンに出かけ、カルメル会とその影響下にあった女性神秘家、ジュリー・ビリアールの十字架のヴィション、神秘体験について貴重な資料を得ることができた。また、スイスのアインジーデルン修道院に滞在し、修道院の文献資料室に保管されている貴重なマグデブルクのメヒティルトの原典資料を掘り起こし、資料室の修道士の助けも得て、文献を解読する作業を行なった。手書きの原資料、ならびに写本を閲覧することができ、女性神秘家の生き生きとした叙述、表現、特徴を浮かび上がらせるという本研究テーマの醍醐味を探究することができた。キーワードの抽出と著作の主題を分析・解読し、女性神秘家の原典著作に見られる女性特有の精神性、表現形式、思考形態の特徴を浮き彫りにした。、原典は地方の俗語、あるいは口述筆記によるものも多く見られた。女性神秘家特有の情緒的、身体的な表現と宗教経験の内実に肉薄する研究を進めた。二次資料の収集 と解読も同時並行した。。本研究にはドイツ・ミュンスター大学のアンドレアス・ミュラー教授、ヴァティカンの教皇庁立聖書研究所のラインハルト・ノイデッカー教授に海外連携研究者が加わっており、ミュラー教授からは中世から近代にかけての霊性史について、ノイデッカー教授からは神秘家のテクストに見られる聖書の引用、聖書の解釈について専門的知識の提供を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたヨーロッパ(フランス、ドイツ、スイス)での資料収集、並びにテクストの解析を進めることができ、研究年度の半ばとしてはおおむね順調に進展していると考えられる。論文2点、研究ノート4点を発表した。今後はさらに中世のテクストを解読するにあたり、専門家から知識の提供を受け、また研究協力者との連絡を密にし、研究成果の発表に向けて努力していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
中世末期の女性神秘家、特にマグデブルクのメヒティルト(Mechthild von Magdeburg)のテクストは、低地ドイツ語で書かれており、2018年夏の出張で、15 世紀の写本をスイス、スイス、アインジーデルン修道院にて閲覧、写真におさめることができた。このテクストの解読のために、2019年度夏に、ドイツ、フライブルク大学の中世古文書研究所に出向き、専門家から指導を受ける予定である。また研究協力者のミュラー教授、ノイデッカー教授とも研究集会をもち、研究成果の発表に向けてさらなる進展を期する。須沢は2019年5月にドイツ、ミュンヘンで開催される国際会議で女性神秘家に関する研究発表をすることになっている。
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