研究課題/領域番号 |
17K02276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
遠藤 徹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10313280)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 楽律 / 雅楽 / 古楽 / 俗楽 / 毛利壺邱 / 鈴木蘭園 / 中島高雲 / 田安宗武 / 太宰春台 / 経済録 / 日本音楽史 / 平岩元珍 / 細野要斎 / 楽曲考 / 復古 / 宗淵 / 羽位論争 / 音律 / 十二律 / 浅井休伯 / 五音 / 五臓 / 黄鐘 / 荻生徂徠 / 催馬楽 / 華岡青洲 / 山田図南 / 大内熊耳 / 東洋音楽学会 / 浦上玉堂 / 近世日本 / 音楽理論 |
研究成果の概要 |
本研究は近世日本で展開した楽律学の具体像を追究したものである。近世の楽律学は単に儒学者等の机上の論に終始したものではなく、古楽の復興、すなわち古の聖代に存したと考えられた移風易俗に大きな効果を発揮する理想の楽を当代に実現することを目指したものであり、基準音である黄鐘(こうしょう)のピッチの探究に始まりつつも、詩経国風になぞらえられた催馬楽の復興、周漢の遺音と見なされた雅楽の楽理の探究、巷間に通行している俗楽の利害得失を考える根拠となる楽理分析など多彩に展開したこと、雅俗にわたる楽理研究に高度なものが見られることなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は近代以降の音楽研究では等閑視されてきた、近世日本で展開した楽律をめぐる音楽研究の史脈を掘り起こし、それらが実践からかけ離れた机上の議論にとどまるものではなく、多彩に展開していた具体像を提示したことに主な意義がある。また、日本音楽史の研究は概して西洋音楽を導入した近代以降と、今日に謂う伝統音楽が展開していた近世までとが分断されがちで、近世・近代の連続性の側面は見過ごされる傾向にある。西洋音楽受容の意義を正当に評価するにあたっては、思想や音楽研究を含めた近世の音楽文化の在り方を実証的に正確に把握するべく務めることが不可欠であるが、本研究の成果はその方面にも一定の意義があるものと考える。
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