研究課題/領域番号 |
17K02287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
土田 牧子 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (30466958)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新派 / 音楽演出 / 新興演劇 / 近代日本 / 黒御簾音楽 / 劇音楽 / 蔭囃子 / 家庭小説 / 川上音二郎 / 日本近代演劇 / 歌舞伎 / 近代 / 歌舞伎音楽 / 三味線音楽 / 日本演劇 / 音楽史学 / 演劇史学 / 近代演劇 |
研究成果の概要 |
本研究は新派を対象に音楽演出の確立過程を解明することを目的とした。(1)まず中村兵藏旧蔵付帳(音楽資料)のデータベース作成により研究基盤を築いた。(2)次に時代ごとの音楽分析により次のことを明らかにした。①川上音二郎が活動を始めた草創期、当初は多分に歌舞伎的だった音楽演出が、短期間の内に効果音を主体とするリアルな音楽演出を追究するようになった実態、②家庭小説の劇化で新派が黄金時代を築いた明治~大正期には、早い段階から音楽演出が練り上げられていたこと、効果音が情景や人物の心情をも描写する手法に新派の独自性の確立が見出せること、③戦後には時代に合わせた音を非常に繊細に形成してきたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の近代日本演劇研究において新派が様々な方面で注目されている状況を踏まえ、本研究では新派の音楽演出の確立過程や特徴を探った。新派自体が非常に多岐にわたる演劇であるため、全貌の解明にはまだほど遠いが、川上音二郎の初期の演劇における新派らしい音楽演出の芽生え、家庭小説の劇化作品にみる音楽演出確立の過程、そして戦後の新派を支えた繊細な音楽演出の実態を、ある程度具体的に明らかにすることができた。旧さと新しさの両方を兼ね備える新派の音楽演出の歩みは、近代日本の歩みとも呼応するものであることから、本研究成果が近代日本文化の本質の追求に何らかの形で寄与できるのではないかと考えている。
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