研究課題
基盤研究(C)
本研究は、イタリア16世紀中葉の宗教的諸潮流を背景に、当時ヴェネツィア共和国で制作された宗教美術作品(主に絵画、版画)の分析を行なった。近年のイタリア宗教史の成果から当時の教会の異端問題に対する態度の変遷を正確に把握することによって、美術作品に表現にいかなる同時代的意味を読み取ることができるのかを問題とし、俗語訳聖書の統制の経緯と宗教美術の問題、異端の嫌疑をかけられた高位聖職者に関連する美術作品の解釈といった問題に、いくつかの新たな知見をもたらすことができた。
本研究は16世紀ヴェネツィア絵画のいくつかの作例について、同時代の宗教的潮流との関係からいくつかの新知見をもたらすことができた。その成果は、主として英語で発表、あるいは刊行されることにより、国際的な美術史研究者のコミュニティから新たな学術的貢献として一定の評価を得ている。たとえば、マドリード自治大学のフェルナンド・マリアス教授、グラスゴー大学のトム・ニコルス教授らが、これらの研究成果に言及あるいは引用している。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (5件)
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