研究課題/領域番号 |
17K02344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
井形 進 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (60543684)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 薩摩塔 / 宋風獅子 / 首羅山遺跡 / 泗州大師 / 重源 / 今津誓願寺 / 大宰府式鬼瓦 / 畏獣 / 室津 / 薩摩塔の基準作 / 水元神社の薩摩塔 / 宗像の渡来文物 / 高麗仏の再検討 / 南宋石造物の受容 / 朝鮮半島文物の受容 / 基礎情報収集 / 統一新羅時代 / 大宰府式鬼瓦の検討 / 大陸渡来彫刻 / 編年作成 / 信仰主体 |
研究成果の概要 |
薩摩塔等の中国渡来石造物研究を進める中で、朝鮮半島渡来彫刻についても一体的に研究をする必要が感じられ、本研究課題を設定した。日韓関係悪化やコロナウイルス感染拡大のため、朝鮮半島系の彫刻に関しては、大宰府式鬼瓦の考察を深化させたにとどまった。しかし中国系に関しては、薩摩塔の基準作を増加させ、思想的背景の一端まで明らかとし、またその過程で、当初想定していなかった、重源周辺の造形にまで研究が及び、それについても重要な知見をもたらした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薩摩塔の研究は、文献史学や考古学によって研究が深められてきた日中交流史に、新たな光をもたらすものとして、近年注目を集めている。ただし従来その研究は概ね、個々の作例の制作時期を絞り込む段階に止まっていた。今回個々の作例を結びつつ、信仰主体、さらには思想的背景の一端まで明らかにし得たことは、大陸の信仰と造形の受容や、日中交流史にかかる研究を、新たな段階に引き上げることに資するものである。また、その研究過程で糸口を掴んだ入宋僧周辺の造形のこと、とくに今回は重源の問題に関して、今津誓願寺と本尊を、寧波阿育王寺と結びつつ意義づけたことも大きな成果であり、今後さらに研究を広げる必要があると考えている。
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