研究課題/領域番号 |
17K02403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 京都女子大学 (2020-2022) 京都外国語短期大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
荘中 孝之 京都女子大学, 文学部, 教授 (70390101)
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研究分担者 |
長谷 邦彦 京都外国語大学, 国際言語平和研究所, 客員研究員 (40387981)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 『はだしのゲン』 / 原爆 / マンガ / アメリカ / 受容 / 英訳 / ハワイ / コミック / 翻訳 / はだしのゲン |
研究成果の概要 |
アメリカで様々な個人や団体がこのマンガを広めようとしたり、教育機関において使用したりしている例は認められたものの、全体としてそれらの活動は非常に限られた散発的なものであった。またこの作品はアメリカ人にとって加害者としての罪悪感を引き起こすものであり、容易には受け入れがたいと思われる。さらにそこで描かれた多くの暴力的な描写は、平和を訴えるものであるはずの本作品の大きな矛盾である。その他、作中に見られる男性中心的な価値観や固定的なジェンダーロールなどもこの作品が現代において広く読まれることを難しくしている。近年さらにこの作品は過去のものになりつつあると認めざるをえない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現地調査の結果、『はだしのゲン』は日本で考えられているほどアメリカでは受け入れられていないことがわかった。その受容を困難にしているいくつかの要因は従来から指摘されていることであったが、教育現場での実際の教師の声を聞いたり、この作品を広めようとした人たちの苦労を知ったりすることで、より具体的にその実情を理解することができた。アメリカでのこの作品の受容とそれを難しくしている理由を知ることは、唯一の被爆国に生きる我々が、今後どのように戦争や原爆の悲惨さを世界に発信し、後世に伝えていくべきかというヒントを与えてくれるものと考えられる。
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