研究課題/領域番号 |
17K02416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
奥村 和美 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (80329903)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 萬葉集 / 和歌 / 長歌 / 比較文学 / 初学書 / 大伴家持 / 大伴坂上郎女 / 橘諸兄 / 孝経 / 書儀 / 藤原定家 / 受容 / 書儀・書簡 / 国文学 / 中国文学 |
研究成果の概要 |
『萬葉集』第四期の歌人大伴家持の和歌、中でも長歌を中心に(1)中国詩文からの摂取についての検討、(2)同時代歌人の作品との比較検討を行った。さらに、(3)『萬葉集』長歌の平安朝以降における受容の検討を行った。(1)については、中国の初学書や書儀・書簡などからの摂取を文献に即して明らかにした。(2)については、大伴坂上郎女との越中期の贈答を細かく検討することによって、共通の教養に基づく中国詩文を利用した表現方法を明らかにした。(3)については、藤原定家における長歌からの本歌取りを検討することによって、これまで見過ごされてきた平安期の『萬葉集』に対する歌学的アプローチと実作との関連を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『萬葉集』の長歌の中でも、大伴家持の長歌について、中国の経書のような一流の典籍からだけでなく、『孝経』のような初等教科書、また『杜家立成雑書要略』のような書簡実用文例集などからも積極的に語彙や表現方法を摂取していることを明らかにした点で、上代知識人の学問や教養の広がりを具体的に指摘した意義は大きい。 また、『萬葉集』の長歌が平安朝においても読みつがれ、漢字本文も含めて、歌人達が新しい表現の源泉として学んでいたことを明らかにした点において、和歌史解明に寄与する意義を有する。
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