研究課題/領域番号 |
17K02419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
萩野 敦子 琉球大学, 教育学部, 教授 (90343376)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高等学校国語科「言語文化」 / 高等学校国語科「古典探究」 / 深い学び / 比較文学的な視点 / 平敷屋朝敏 / 琉球擬古文物語 / 言語文化 / 擬古文物語 / 沖縄の和歌 / 沖縄集二編 / 古文分野の教材 / 王朝物語定番教材 / 王朝物語定番外教材 / 琉球和文学 / 狭衣物語 / 伊勢物語 / 竹取物語 / 近世琉球の擬古文物語 / 伝統的な言語文化 / 近世琉球の和歌文学 / 沖縄版「伝統的な言語文化」 / 地域(郷土)教材 / 〈専門性〉と〈汎用性〉 / 日本文学 / 琉球文学 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
当該年度は、高等学校国語科において新学習指導要領のもと新たに設けられた必履修科目である「言語文化」の開始年であった。そこで、17種類発行されている「言語文化」の教科書の内容を精査して、琉球和文学が教材として導入できるかを検討した。 また、次年度には選択科目として「古典探究」が開始される。こちらはまだ教科書を入手することはできないが、各教科書会社のホームページや教科書展示会を利用して教材内容を確認し、こちらについても琉球和文学の教材としての導入の余地があるかどうかを検討した。 その結果、いずれの科目も、古文の授業が従来陥りがちであった「知識・技能」偏重から脱し、「深い学び」を通して「思考力・判断力・表現力」および「学びに向かう力、人間性等」を育成する方向に舵を切っていることが確認できた。 たとえば、数研出版から発行されている教科書『言語文化』では、百人一首の歌について英訳を掲載し、原文の和歌と英訳とを比較させることを通して、日本語と英語の違いやそれらの言語の使い手の発想の違いを考えさせようとしている。このような比較文学的な視点からの教材や言語活動を取り入れることで、「古文としての古文」ではなく「言語文化としての古文」へのアクセスを図っているのである。 このような考え方に立てば、琉球和文学を教材として導入してくることは十分に可能であるという手応えを得ることができた。ただし、これを論文等の形にするには至らなかった。 なお、上述の「言語文化」「古典探究」教科書調査を活かして、研究会で「新学習指導要領下の高等学校国語科における古典(古文)の学び」という題目の口頭発表をすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
報告者は過去2年、琉球大学教育学部長を務めたが、再任されて2期目に入った。教員養成をめぐる課題が山積していることもあり、管理運営業務に費やす時間が多く取られ、研究に宛てる時間を確保するのに苦労した。そのような中で、令和5年5月に花鳥社より刊行予定の中世王朝物語の論文集への執筆を依頼され、その論文執筆に研究の時間の多くを費やさざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
学部長の任期が1年残っており、引き続き研究時間の確保が困難である。研究内容としては、すでに入力作業を終えてテキストデータになっている『沖縄集二編』全1439首の歌語索引の作成と、平敷屋朝敏の擬古文物語を新学習指導要領に即した教材にしていくことを考えており、いかに時間を作り出すかが問題である。
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