研究課題/領域番号 |
17K02436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 県立広島大学 (2019-2020) 奈良大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
石川 一 県立広島大学, 人間文化学部, 名誉教授 (80193283)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 諸社法楽百首群 / 二諦一如 / 狂言綺語観 / 法華要文百首 / 拾玉集 / 本地垂迹 / 寺社縁起 / 和歌陀羅尼観 / 厭離欣求百首 / 法楽百首 |
研究成果の概要 |
本研究は、新古今歌人慈円の作品分析のために、その特徴がみられる「法楽歌」に焦点を絞り、思想的基盤を解明するものである。家集『拾玉集』内の諸社法楽百首群には序・跋にも彼の宗教観・歴史観が展開されているが、天台仏教の要諦である「二諦一如」がどのように関わっているのかその関連を解析する。 「法楽歌」作品は法楽対象に応じて形態を変化させていて、例えば、石清水八幡宮と法華要文百首など。寺社縁起研究から一歩進めた思想体系を考究し、狂言綺語観から「二諦一如」を核とする思想・信仰を解明する。 従来の「拾玉集」諸本分析だけでなく、「本地垂迹」に関する思想基盤、寺社縁起と歌論との相関に言及することが可能である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慈円の作品分析には錯綜する「拾玉集」諸本分析の他に、法楽対象ごとに異なる百首形態、寺社縁起と「本地垂迹」、さらに「二諦一如」など天台の要諦など、表現意図が多岐に亘り、非常に難解な様相を呈している。その思想的基盤を解明し、表現の目指す宗教観を考究することは、中世における文学的到達を解析することに繋がる。 家集『拾玉集』収録歌六千首という膨大な作品を前に、種々の困難が横たわっていたと思われるが、その一端を解明することによって、中世歌人また歴史家の思考の支障となっていた慈円の「謎」を解明することの異議は甚だ大きいものと言える。
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