研究課題/領域番号 |
17K02443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 二松學舍大學 (2019) 東京大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
長島 弘明 二松學舍大學, 文学部, 教授 (00138182)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 上田秋成 / 『春雨物語』 / 『俳諧嘘を月夜』 / 煎茶 / 画賛 / 文人 / 白話小説 / 国学 / 『六帖詠草』 / 『呵刈葭』 / 俳諧 / 交友圏 |
研究成果の概要 |
上田秋成の文学的な業績を、交友圏を視座としながら、再検討した。その結果、次のような成果を得た。 (1)晩年の傑作『春雨物語』に関して、秋成が出版する意向があったかどうか、従来説が分かれていたが、本屋からの出版打診があったということが書かれている書簡をあらたに見出し、秋成にその意向がないわけではなかったことを明らかにした。 (2)秋成の最晩年の自選句集『俳諧嘘を月夜』を新たに見出し、秋成の晩年の独自な俳風は、彼が若い頃、大阪の俳人たちから影響を受けた都会風の俳風とは異なり、また、彼が40代の頃、蕪村から影響を受けた俳風とも異なっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
秋成は『春雨物語』を何度も書き換えているが、その事実をもとに、本文が固定することを避けたいために秋成はこの作品の出版を拒んだ、と考えているかのような論もあった。そして、出版された『雨月物語』との相違を強調する論調も、少なくなかった。『春雨物語』の出版の可能性を示唆する書簡の出現で、それらの論は今後、再考を余儀なくされると思われる。 秋成晩年の自選句集としては、従来『俳調義論』が知られていたが、これは転写本であり、誤写もまま見られた。新出句を多く含む自筆本の『俳諧嘘を月夜』の出現によって、今後安心して、秋成の俳諧の全貌を見渡すことが可能になった。
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