研究課題
基盤研究(C)
江戸時代の養生文化から3.11震災後までの保養プログラムまでの健康観の歴史的変遷の分析に際し、1990年代に人文地理学者Wilbert Geslerが提唱したTherapeutic Landscape批評理論を援用した。また、江戸時代養生書目録の作成に当たって、刊本のみならず、従来の養生研究に言及されていない、写本しか残されていない養生書の存在を見出した(『養生問對上』(天理図書館特別本)を翻刻して報告した)。また文芸の視点による養生書の特徴分析を報告した(『申楽免廃論』)。『養生要論』『続養生要論』の注釈・英訳を行った。
養生研究に欧米発祥の批評理論を取り入れることは、江戸時代の養生文化を分析する新たな見地(切断面)を提供したのみならず、日本の健康文化を育む健康観と自然観を国際社会において発信し、その重要性と存在感が認識されることに一役買うことができたと確信する。また養生書に反映された健康や疾病に対する江戸庶民の認識、そして藩主による文芸と養生の関連は、現代の健康と社会、環境の相互関係を考える上で、特にポストコロナにおける健康観の構築に歴史的な原動力と励みを与えてくれると考える。
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金沢大学国語国文
巻: 44 ページ: 28-39
Communication and the Public
巻: Volume 3 Issue 4 号: 4 ページ: 302-309
10.1177/2057047318812919
里山という物語
巻: 0 ページ: 257-268