研究課題/領域番号 |
17K02448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 静岡大学 (2017-2020) |
研究代表者 |
渡邊 英理 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50633567)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | (再)開発文学 / 戦後文学/日本近代文学 / 中上健次 / 崎山多美 / 干刈あがた / 石牟礼道子 / ジェンダー/セクシュアリティ / 日本語文学 / 日本近現代文学/「戦後文学」 / 「(再)開発文学」 / 瀬戸内寂聴 / 帝国主義/(脱)植民地化 / 戦後文学/現代文学 / (再)開発 / 脱植民地主義 / 脱人間主義 / ジェンダー / 言語 / 記憶 / 戦後文学 / 開発/再開発 / 公共性 / 日本文学 / 労働力移動 / 開発 / 表象 / 比較文化研究 / 地域 |
研究成果の概要 |
(再)開発という視座から「戦後」の日本語文学の限界と可能性を検討した。まず、中上健次の文学の(再)開発表象を、(再)開発が可視化する既存の差別、新たに作り出す差別に留意し考察した。(再)開発の計画性や合目的性、「成長」「進歩」の観念に抗する中上文学のビジョンを解明した。また本土とは異なる「戦後」を歩んだ沖縄の基地の街の(再)開発を表象する崎山多美の文学から、「戦後文学」の限界性を追究し、石牟礼道子の(再)開発文学研究などにも着手した。また(再)開発と(脱)差別の問題系をジェンダー/セクシュアリティの視座から検討した。中上文学の研究は、現在、単行本化を進めており、2022年度に刊行予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「戦後」の日本語文学を「開発」の夢や欲望など情動の宿る領域として定位し、(再)開発をめぐる履歴、記憶、歴史認識、思索や思想を追究するものである。今日まで続く開発主義という社会のあり方が、いかに形成されてきたのか。中上健次、崎山多美、干刈あがた、石牟礼道子など様々な路地を描く小説群/文学的言語に記録された社会の意識無意識を紐解き、その一端を描出した。また個々の文学的営為を(再)開発という視座から再文脈化し、その理論的思想的展開の一端を解明した。その成果は、開発主義という規範的な社会のあり方を相対化し、批判的に思考するための思想資源として活用可能と考える。
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