研究課題/領域番号 |
17K02451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新井 由美 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (40756722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 挿絵 / 新聞小説 / 大衆文学 / 邦枝完二 / 白井喬二 / 舞台装置 / 映画 / 小村雪岱 / 新聞連載小説 / 装幀 / 村松梢風 / 絵巻 / 演劇 |
研究成果の概要 |
挿絵画家小村雪岱の新聞小説挿絵と小説本文の関係を調査し、挿絵制作の方法論を明らかにした。古画を典拠とする挿絵制作では大正末の美術界における絵巻再評価との関連を見出だした。俯瞰的構図の挿絵では舞台装置家の視点が活かされており、挿絵は登場人物の心理に連動していること、また挿絵は映画のカメラ的視点も意識されていることが分かった。更に雪岱が同時代の明治文学再評価の動きという文壇の動向にも関心を抱いていたことが分かり、彼の文学への造詣の深さを確認した。これらのことから、雪岱挿絵は同時代における文学・美術・演劇・映画という異分野の結節点としての重要な意義を持つアクチュアルな媒体であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
挿絵という媒体に注目し、小説本文との関係性を精査することによって、従来の文学研究において重要な研究対象とは見なされていなかった大衆文学の再評価につながる視点を構築した。更に、挿絵を当時の文化的状況の中に位置付け調査することによって、挿絵は小説作品の視覚化という本来の目的だけではなく、それが同時代における文学・美術・演劇・映画という異分野を相互に結びつける結節点として機能しており、同時代の大衆文化の一側面を形成する重要な媒体であることを明らかにした。現代の新聞小説においても挿絵は必ず毎回付されるものであり、新聞小説の歴史的かつ共時的意義の解明においても、挿絵研究は必要不可欠な視点である。
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