研究課題/領域番号 |
17K02455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中根 隆行 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80403799)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 植民者二世 / 在朝鮮日本人 / 村松武司 / 外地引揚者の文学 / 海外放浪 / 外地引揚者 / 文芸創作 / 朝鮮表象 / 植民地二世 / 越境文学 / 世界文学 / 外地引揚文学 / 日本語文学 / 森崎和江 / 国文学 / 戦後文学 / 旧在朝鮮日本人の文芸創作 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、前年度に引き続き、朝鮮引揚者に関する資料整理と分析を中心に研究を実施した。埴谷雄高や尾崎秀樹など旧在朝鮮日本人に限らない植民地体験をもつ外地引揚者の戦後の言説とともに、村松武司、小林勝らの文芸創作の実態把握に努めた。それとともに、現在までの日韓の先行研究についても再検討している。また、1960年代後半から70年代にかけての海外放浪と文学の関連について池澤夏樹を中心に別途検証した。1960年代後半以降の朝鮮引揚者をめぐる同時代の文学状況を把握するためでもある。 令和4年度の研究成果としては、朝鮮引揚者にとっての戦後の事例として日本比較文学会関西支部2022年度4月例会において「植民者の戦後―村松武司の詩作と朝鮮」(2022年4月16日)を発表している。研究発表では、鶴見俊輔や大江満雄、小林勝、呉林俊、金時鐘らとの関係も含めて、村松武司の朝鮮半島での来歴や初期からの詩作、エッセイ、栗生楽泉園でのハンセン病患者との交流など詳細に検討した。 また、1960年代後半以降の海外放浪について「池澤夏樹と南に向かう想像力―戦後日本と放浪する作家たち」(『跨境:日本語文学研究』第15号、2022年12月)として、口頭発表を経て論文として公表した。1990年代の池澤夏樹のポストコロニアル小説群を準備したともいえる「地理的人間」という鍵語とともに、戦後日本における海外旅行史と放浪する作家の群像を検証した論考であり、1960年代後半から登場する海外放浪というテーマを考察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の進捗状況については、コロナ禍の影響から国内外の資料調査などが計画通りに実施できなかったことから遅れている。今年度は研究成果の公表への道筋もでき、年度内に実施できなかった調査分析を次年度に行うことで、本研究をまとめられるところまで来ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、上記の通り、これまでの資料調査を整理することとともに、現在準備している論考を研究成果として公表し、本研究課題の研究報告を作成することを目標としている。
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