研究課題/領域番号 |
17K02457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
細川 光洋 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (60442480)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 吉井勇 / 近代短歌 / 戦中疎開日記 / 戦時資料 / 小谷契月 |
研究成果の概要 |
吉井勇の戦時下の京都での日記「洛東日録」、富山八尾での疎開日記「北陸日記」「續北陸日記」の翻刻をもとに、後期の起点となる歌集『寒行』『流離抄』に収められた歌の成立背景を明らかにした。また、あわせて当時の書簡や新聞・雑誌の調査を行い、谷崎潤一郎や川田順らとの紙面・誌面を通じた「消息歌」のやりとりを日記と照合させながら跡づけた。不遇を託ったとされる八尾疎開について、その各地を転々とした時期や八尾の人々との交流の実態を、初めて資料に基づくかたちで明らかにすることができた。その過程で、おわらを代表する民謡詩人・小谷契月についての資料についても発掘紹介することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
吉井勇の戦中疎開日記の翻刻を通じ、これまで本人も多くを語ることのなかった疎開時代の生活や地域の人々との交流を初めて明らかにすることができたのが一番の成果である。京都東山馬町空襲や富山大空襲の記述は、歴史的な価値のある証言として新聞等でも大きく取り上げられた。疎開日記は、今後地域の戦時史としても価値を持つであろう。また、戦後初の歌集である『金泥』が終戦を機に発刊が見送られた「決戦歌集」叢書の『神杉』をもとに編まれたことを明らかにした意義も大きい。富山では、吉井の日記をもとに『北日本新聞』紙上で16回の連載を行い、文学館での展示や3回の講演会も開催し、研究成果を地域に還元することができた。
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