研究課題/領域番号 |
17K02479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 京都産業大学 (2021-2022) 大手前大学 (2017-2020) |
研究代表者 |
盛田 帝子 (飯倉帝子) 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (40531702)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近世堂上歌壇 / 宮廷歌会 / 近世和歌 / 光格天皇 / 仁孝天皇 / 孝明天皇 / 後桜町上皇 / 欣子内親王 / 後桜町天皇 / 近衛内前 / 三条西実勲 / 天皇歌壇 / 中宮欣子内親王 / 光格天皇(上皇) / 古典復興 / 女房歌人 / 近世文学 / 堂上歌壇 / 和歌 / 南殿の桜 / 堂上 / 歌壇 / 添削 / 高松公祐 |
研究実績の概要 |
本研究は、光格天皇歌壇以後の幕末維新期における堂上歌壇の実態を解明しつつ、その文学史的意義を明らかにすることを目的とし、東山御文庫・宮内庁書陵部(旧禁裏・宮家・堂上公家所蔵本)・陽明文庫等の堂上歌壇資料を調査しながら幕末維新期の新たな堂上歌壇史の構築を目指している。 本年度は、光格天皇の即位前から即位後にかけての安永・天明期に江戸で行われた物合の流行について着目し、近世中期の江戸歌壇と京都歌壇の動向を比較するために2本の論文を発表した。江戸では、享保17年(1732)に八代将軍徳川吉宗が曲水の宴を、明和2年(1765)に吉宗の二男で田安家初代当主の宗武が梅合を再興したが、何れも朝廷でも幕府でも久しく途絶えてしまった、かつて宮廷で行われていた催しであった。王朝文化の再興は、宗武亡きあと、有栖川宮家の歌道門人である三島景雄や賀茂季鷹等によって物合の再興という形をとって江戸で流行し、松平定信主導の寛政の改革で衰退するまで続いた。安永・天明期に、武家・町人層における王朝文化の再興が江戸で流行したのである。 江戸で物合が衰退した寛政期になると、京都で、妙法院宮真仁法親王や一部堂上歌人が主催して行う、私的な歌合の記録が見られるようになる。 また、寛政から文化期にかけての宮廷においては、光格天皇主導で行われていた公の和歌御会や男性のみの歌会の他にも、後宮において、女性歌人を中心とする月次歌会等が行われていたことが調査で明らかになり、その成果を日本近世文学会で発表した。 加えて、これまでの研究成果を公開するためのWEBサイトの構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用が制限されており、研究成果を発表するための調査が思うようにできない状況が長らく続いている。しかし、少しずつでも研究を前進させるために論文執筆や学会発表を行って、周辺領域も含めた研究者に批評や意見を請い、研究を推進した。また研究成果を公開するためのWEB構築を進めた。 現在、江戸時代~幕末維新期の文学研究者・歴史学研究者を招待して公開研究会を行い、著書として成果を刊行すること、主に江戸時代~幕末維新・明治期にかけての歌壇史研究をベースとした著書の刊行、江戸時代~幕末維新期の宮廷歌会年表をオープンデータとして公開すること、江戸時代~幕末維新期にかけての天皇歌壇を中心とする文芸ネットワークについての学会発表・論文執筆が終了している。 コロナ禍のため、当初の研究計画からすると、進捗状況はやや遅れているが、研究成果のWEB公開を含め、来年度の研究課題完成に向けての見通しをつけた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用制限が緩くなる可能性が高いため、研究成果公開のための調査を積極的に行い、その上で、調査研究成果を公開するためのWEB構築の完成を目指す。
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