研究課題/領域番号 |
17K02480
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
森田 雅也 関西学院大学, 文学部, 教授 (10239668)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 日本文学 / 上方文学 / 西鶴 / 談林俳諧 / 江戸時代 / 地方物流網の発展 / 地方文化圏の形成 / 海運・川運 / 17世紀日本文学 / 出版と読者 / 上方文壇 / 江戸時代の海川物流網 / 手紙 / 日本古典文学 / 地方俳壇 / 都市と地方の交流文化 / 日本近世文学史 / 情報流通 / 海川交通 / 俳諧文化圏 / 舟運物流史 / 元禄時代 / 地域文化史 / 地方俳諧文化圏 / 文学情報 / 地方物流史 / 国文学 |
研究成果の概要 |
近世前期の経済発展は、徳川政権の安定の下、全国に急速に広がった物流網の普及とともにあった。この物流網の拠点を支えた人々は巨万の富を蓄え、何らかの形で新しい富裕層として文化形成に関わることとなる。特に顕著なのが「天下の台所」と呼ばれた大坂を中心とした上方文化圏であったが、この傾向は地方文化圏においても同様の傾向が見られ、中でも西回り航路開発は、この両者を海川水上交通によって結びつけた。 その文化形成の一側面を俳諧の流行を焦点に分析すると、地方の俳諧文化圏は洗練された上方文壇、特に西鶴を中心とした談林俳諧の指導を仰ぐことで蕉風俳諧確立以前に一流の俳壇を完成していた。その実態を本研究で解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
17世紀日本の文化は、幕府の中央集権的に政策により形成されたように見えるが、実態は地方文化圏の形成が基点となった。その下支えをしたのが、地方物流網の拠点に君臨した人々で、彼らは元々は文学的素養はなかったものの、経済的余裕を持つとともに「俳諧」という新しい文学形式を嗜むことで古典文学を学び、文化圏形成を主導し地域全体の文化度を高めた。さらに彼らの持つ物流網は、遠く離れた優れた上方文壇と深く結びつくことを可能にし、俳人同士の交流・通信ネットワークの場となり、全国津々浦々を網羅することになった。日本文化発展の要因に地方の経済発展が寄与し、さらにそれが物流網を利用していたことには注目してもらいたい。
|