研究課題/領域番号 |
17K02498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 東京女子大学 (2020-2022) 三重大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
吉野 由起 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (90707291)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ロマン派 / スコットランド / Robert Burns / Walter Scott / James Hogg / 叙事詩 / 田園詩 / 英文学史 / フォーク・リヴァイヴァル / ジャンル実験 / 妖精譚 / 英文学 / ロマン主義 / ウォルター・スコット / ジェイムズ・ホッグ |
研究実績の概要 |
本年度は下記の作業を並行して進めた。 (1)ウォルター・スコットによる物語詩Marmionと初期の歴史小説Waverleyにみられる叙事詩性について、特に叙事詩における「自然」の表象方法・用法に焦点を当てて読解分析を進めた。この過程で、両作品と興味深い対象をなす物語詩The Lay of the Last Minstrelと歴史小説Ivanhoeの再読を、前者は「風景」、後者は「森」の表象に注目しつつ進めた。結果の一端を2022年12月に刊行された共著書に収録された章にまとめた。また、2023年5月開催予定のシンポジウムでも発表する予定である。(2)ジェイムズ・ホッグの初期の作品の軌跡と叙事詩創作への展開の考察を進め、初期の田園詩集 Scottish Pastoralsを分析し、同作品集を理解する上で、看過することのできないロバート・バーンズの田園詩の意義を再確認したため、これについても検証を進めた。結果は2023年中に刊行予定の共著書に収録予定で、既に第一稿の入稿を完了している。(3)イギリス・ロマン期文学・芸術運動におけるジャンル意識や叙事詩という形式・修辞法の意義を再考する作業の足掛かりとして、叙事詩一般およびスコットおよびホッグと叙事詩の関連に関する文献資料の収集と調査を継続した。その結果、特に叙事詩の創作に着手する前の手続きとして西洋古典の伝統上位置付けられてきた牧詩・田園詩の重要性についての再評価が必要であるとの結論に至り、ロマン派期ではどのように再創造されたのか、ロバート・バーンズによる田園詩およびこれに関する先行研究の読解分析を進めた。この結果の一端も2023年中に刊行予定の共著書収録の章および2023年5月開催予定のシンポジウム(企画・司会も担当予定)で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作業を進めた結果、当初の予定以上にロバート・バーンズの作品の検証が必要となり、バーンズの作品の読解分析に時間を要している。ただし2022年度に共著書一点(一章を担当)刊行、2023年に刊行予定の共著書の担当箇所(一章分)を入稿、2023年5月開催予定のシンポジウムでの発表の準備を進めることができたため、成果をまとめる作業はある程度進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)Scott, The Lay of the Last Minstrelの叙事詩性を、自然、風景、ピクチャレスク言説への応答という観点に特に注意を払い検証を進め、2023年5月開催予定のシンポジウムで発表する。またMarmionに関する検証結果は、査読付き論文の執筆を進め、2023年度内の完成を目指す。 (2)Hoggによる田園詩・叙事詩について、同時代の田園詩・叙事詩の再創造の潮流、特にBurnsとScottとの比較検証を通して検証を進める。2023年刊行予定の共著書収録の章(既に入稿済み)の校正を完了し、完成させる。 (3)上記(1)(2)を進める上で必要不可欠な作業として、Robert Burnsの田園詩の検証も進め、2023年5月開催予定のシンポジウムで発表する。また査読付き論文の執筆を進め、2023年度内の完成を目指す。
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