研究課題/領域番号 |
17K02507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
亀澤 美由紀 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (60279635)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トマス・ハーディ / 男性性 / 物質主義 / モノ理論 / もの理論 / Thomas Hardy / ジェンダー / Thing Theory / ホモソーシャリティ / 貨幣論 / ホモソーシャル / 帝国主義 / masculinity studies / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究ではトマス・ハーディ(1840-1928)の後期小説における男性性のありかたをヴィクトリア朝後期の物質主義・消費文化と照らし合わせて分析した。ハーディの小説には男性性が、E. K. Sedgwick述べるところの「男性ホモソーシャル性」の原則にしたがって描かれている。ところが後期小説に至ると、その原則が崩れていく様子が見て取れる。その原因を本研究は19世紀末の物質主義・消費文化に辿り、モノのあふれる物質主義社会とジェンダー体制の揺らぎとに実は密接な関係があることを析出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハーディの小説をめぐって、19世紀におけるジェンダー体制の綻びと、経済変動との結びつきを示唆する見解はこれまでも聞かれた。しかしながら、両者の関係をテクストに密着して分析した研究はこれまでになく、本研究はジェンダー体制の揺らぎと経済とを同心円状に論じたものとして、意義があると考えられる。そのことはまた、ジェンダー体制が依拠した「男性ホモソーシャル性」の原則(E. K. Sedgwick)の限界を示唆するものでもある。Sedgwickの論に依拠しつつ、それを越えた地点を目指す研究としても、本研究は重要な意義をもつものである。
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