研究課題/領域番号 |
17K02509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (60316031)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ワーズワス / 英国湖水地方 / 交通革命 / 大衆旅行 / 自然保護運動 / 文化遺産 / ロマン主義的精神 / William Wordsworth / 湖水地方観光 / 景観保護 / 大衆旅行文化 / ガイドブック / ロマン主義的旅の精神 / モビリティ / Romantic Pedestrianism / mobility / ロマン主義精神の大衆化 / Outdoor movement / 文化的景観 / ロマン主義精神 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、鉄道・自動車の発達による旅行の大衆化と都市化や戦争による人々の田園観・国家意識の変容の時代を通して、ワーズワスが湖水地方の文化的景観に与えた影響力を検証したものである。ワーズワスの旅の美学が初期の自動車旅行者たちの移動感覚に大きな影響を与えたこと、第一次世界大戦がワーズワスの再評価をもたらし、湖水地方を文化的遺産として保護しようとする運動に繋がったこと、戦間期の自動車の普及が逆説的にロマン主義的な徒歩主義を再生させたことなどを検証した。ロマン主義的精神は、景観や自然環境との関わり方、旅行や文化遺産などに対する現代的価値観に関して、様々な形で礎を築いてきたことが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会経済・価値観が激変し、ロマン主義への反発としてモダニズムが台頭した20世紀前半にロマン主義精神はいかに継承されたかを探求した点に本研究の意義がある。ロマン主義精神の商品化・大衆化の側面は否めないが、旅の個人主義と大衆・民主主義、景観保護と観光開発、公共の価値と地域住民の権利など、景勝地が現在抱える諸問題の様々な立場に対して、ワーズワスの言説が影響を与えていることも明らかになり、ロマン主義精神の多面的な波及力が浮き彫りになった。研究成果を単著にまとめ英国の出版社から発表できたことには大きな学術的意義があり、国内外の4つの団体から依頼されて研究成果を社会に還元できたことにも意義があるだろう。
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