研究課題/領域番号 |
17K02516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井出 新 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30193460)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 英文学 / 西洋史 |
研究成果の概要 |
本研究はイングランドの枢密院顧問官フランシス・ウォルシンガムの文人に対する庇護が1580年代においてどのような実態であったのかを具体的に明らかにした。ウォルシンガムが枢密院において果たしていた主導的な役割を検証した上で、彼のクライアントである詩人や劇作家にどのような恩恵を与え(逆に拘束を課し)たか、また、その庇護によってどのような社会的ネットワークがクライアントの間に構築されたか、という問題を、これまで殆ど顧みられることのなかった一次史料に基づいて考察した。それによって枢密院という政治家の集合体と詩人たちとの相互扶助的関係の全体像をおぼろげながら浮かび上がらせることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
枢密院顧問官としての特権を用いてウォルシンガムが庇護下にある詩人や劇作家にどのような恩恵を与え、また逆に拘束を課していたかという具体的な実態となると、史料の僅少さ故に殆ど解明されてこなかったというのが実情であるが、本研究では、トマス・ワトソンやクリストファー・マーロウという個別的な文人の事例を具体的に考察し、これまでパトロネッジに関する史料として扱われてこなかった一次史料を丹念に掘り起こすことにより、枢密院庇護の実態に光を当て、それによって枢密院とクライアントとの相互信用に基づく継続的な関係性を再構築したことに、大きな学術的意義がある。
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