研究課題/領域番号 |
17K02543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 寛子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90336917)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 英語文学 / アイルランド語文学 / アイルランド語 / アイルランド文学 / 英語圏文学 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
土着の伝統を意識的に取り入れたアイルランドの英語およびアイルランド語の文学作品を精査した。とりわけ7世紀アイルランドの王スウィーニーをめぐる伝説に焦点を絞り、過去との対話を未来につなげる試みを分析した。調査の過程で20世紀初めに英訳されたスウィーニー伝説の重要性が明らかになり、この伝説に基づいた翻案作品を網羅的に調査し、精読した。近現代のアイルランド文学者たちはアイルランド語とその伝統に真摯に向き合うことによって逆にナショナリズムや愛国意識を越えたグローバルな観点を獲得し、長い目で今と未来を考える上で有効な視座を提供している。その詳細を徹底的に精査し、研究発表、講演、論文の形で公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の柱は、アイルランドの文学者たちの土着の伝統との対話の精査とその詳細の分析である。言語、文化、文化的伝統に対する彼らの深い思い入れは、愛国意識を越え、地球全体の未来を視野に入れた観点の獲得に寄与している。グローバル化における「愛国」の意味を考えるに際して、自らの母国の日本ではなく「アイルランド」の事例を追及することで複眼的な立脚点を持つに至った。また、精緻な文学作品の多層性の解明を通じて、AIの到達できない人間の知の真髄に迫ること、そのプロセスの意義を確認した。この研究成果を出版や講義の形で広く公開していくことが使命である。
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