研究課題/領域番号 |
17K02545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石割 隆喜 大阪大学, 文学研究科, 教授 (90314434)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ピンチョン / 認識論 / 重力の虹 / ミメーシス / 心的表象 / 映画 / ヴァインランド / リアリズム / Drew / Newsreel / バザン / ウルフ / ポストモダニズム / モダニズム / 英米文学 / 文学論 |
研究成果の概要 |
表象の場としての意識と映画の類似性に注目すれば、スクリーンを介した『重力の虹』の〈現実〉表象はモダニズム小説の印象を介した現実表象の発展形と見なせる。またバザンのリアリズム映画論に依拠するなら、真実を照らす光に信を置くドキュメンタリー映画製作者を主人公とし、彼女の「真の顔」を暴こうとする『ヴァインランド』は、自らが内容において語る「映画的リアリズム」を形式的にも実践した小説であると言える。2作における映画の違い(パラノイア的投影=映写とドキュメンタリー・リアリズム)が両作における「現実を見ること」の違いとなっている。重要な点は、どちらにも知への指向性が見て取れるという認識論の残存である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、存在論的とされるピンチョンの小説に認識論(現実表象、ミメーシス、リアリズム、小説、「見ること」)の残余を読み取ろうとする点である。映画、心の哲学、認知科学、科学と宗教といった他領域にまたがる本研究により、ピンチョンの「ポストモダン」な小説に従来の認識論的「小説」との連続性が見てとれることが明らかとなるならば、ピンチョン研究のみならず「小説」という形式に対する一般的な受け止め方にも一石を投じることにつながると期待される。
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