研究課題/領域番号 |
17K02560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
早川 敦子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60225604)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 翻訳論 / 世界文学論 / 伝記文学 / 自伝 / 女性文学 / マイノリティ / 21世紀 / 日本文学 / 世界文学 / 多様性 / 英語翻訳文学 / 翻訳理論 / 翻訳の不可能性 / グローバリゼーション / 翻訳文学 / 英語圏文学 / ノーベル文学賞 / 現代英語文学 / 英語 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
翻訳理論の展開を21世紀から見直すことを通して、英語に翻訳されることでヘゲモニーを強化する一方で、英語中心主義にとっての「他者」の言語文化が「世界文学」の領域を拓いてきたことが明確になった。 とくに翻訳理論の現在は、越境と多様性を特色とする世界文学を英語中心的な機軸からみるのではなく、脱中心化を促しながら、むしろ「翻訳の不可能性」を照射するものであることが明確になり、英語に翻訳された文学が翻って英語中心の価値観を覆しつつ世界文学の地図を更新していることが結論として明らかになった。 この射程で日本文学の世界文学性を考察することが、今後さらに活性化されていく展望に至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「世界文学」が、移動と多言語多文化の越境性を特徴とする21世紀に注目を集めている中で、多くの作品は「英語に翻訳される」ことで認知されている現実を、翻訳理論の展開をたどることで検証した。その結果、英語中心主義が明らかに揺らぎ、英語に翻訳された文学は翻って「他者性」をヨーロッパを中心とするヘゲモニーの言語文化につきつけることで「キャノン」を解体し、世界史を修正している過程が照射された。こういった成果は、日本ではいまだなじみが薄い「翻訳理論」という研究領域の有効性を明らかにするという意味で学術的な意義をもつと同時に、世界の中の日本、また「日本語・文化」の本質をも問い直すことで社会的な意義をもつ。
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