研究課題/領域番号 |
17K02562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
牧野 理英 日本大学, 文理学部, 教授 (10459852)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ポストメモリー / 日系アメリカ作家 / 集団的記憶 / 第二次世界大戦 / 日系収容所 / 集団的記憶喪失 / カレン・テイ・ヤマシタ / 日系アメリカ文学 / 抵抗 / 日系収容 / 日本の敗北 / 小野節子 / ヒサエ・ヤマモト / ワカコ・ヤマウチ / 敗北 / アメリカ文学 / 収容所 / 日本の敗戦 / 日系アメリカ人 / 原爆 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、第二次世界大戦中強制収容所で過ごした日系アメリカ人を親にもつ作家が、親の語らない収容所の集団的記憶をどのように当時の手紙や写真などで再生し、自身の作品に投射していったかというポスト・メモリーの過程を考察するというものである。そしてその歴史の再生過程において、このポストメモリー世代の日系作家が迫害に対するプロテストとは異なった抵抗のナラティブを創出していることを証明する。 本研究の成果としては、単著1冊『抵抗と日系文学:日系収容と日本の敗北をめぐって』(三修社、2022年)を中心に、共著4本(内1本は英論文)、論文 3本(内1本は英論文)そして翻訳1冊である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、当該研究の日系作家が、アメリカそして日本という国家に対する批判的観点を親の世代の収容経験から形成している点にある。親の世代によって直接語られぬ収容経験が、異文化性をはらむものとして自身のアイデンティティーにくみこまれている状況は、日系作家が他のエスニック文学とは異なるナラティブを創出する一因となっていたと考えられる。当該研究における日系作家は「捕囚」という経験を単純な迫害の記憶に氷結させるのではなく、アメリカそして日本という国家への批判的見地に転換させた軌跡を示唆しているのである。日本でアメリカ文学を学ぶ者にとって、こうした日系文学の諸相を知ることは極めて重要であるといえよう。
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