研究課題/領域番号 |
17K02569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐藤 渉 立命館大学, 法学部, 教授 (30411143)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | オーストラリア文学 / アボリジナル / 植民地主義 / 歴史とフィクション / 和解の文学 / オーストラリア先住民文学 / ポストコロニアリズム / オーストラリア先住民 / コロニアル・エンカウンター / アボリジニ文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、ヨーロッパ人と先住民の関係を描いた文学作品が、オーストラリア人の歴史認識をめぐる葛藤を顕在化させてきたことを明らかにした。とりわけ、先住民に対する罪の意識を反映したヨーロッパ系作家の作品は、歴史とフィクションの緊張関係を前景化してきた。他方で、先住民作家は抑圧者/被抑圧者という単線的な権力関係を超えて、多面的な人種間関係を描いた作品を近年相次いで発表している。気候変動という地球規模の課題を背景に、ポスト-人種社会を構想する作家も登場している。こうした先住民作家の作品は、想起されうる過去を豊富化し、未来志向の人種間関係を考える糸口を提示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ヨーロッパ系オーストラリア人とオーストラリア先住民の人種間関係を双方の文学作品から解明しようと試みている点に独自性がある。また、文学作品を対象とすることにより、歴史学や社会学的なアプローチでは見えにくかった心理的要因に光をあてることが可能となった。さらに、歴史とフィクションのあいだに緊張関係が生じる背景を考察することにより、分野を横断した建設的な議論の可能性を示唆している。
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