研究課題/領域番号 |
17K02570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
柏原 和子 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (90330216)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ジョン・アップダイク / 老い / 死生観 / 死 / Endpoint / 世界観 / Seek My Face / The Widows of Eastwick / 米文学 |
研究成果の概要 |
本研究はアメリカの現代作家ジョン・アップダイクの作品における「老い」の表象を分析することにより、現代社会における「老い」への対処の仕方を考察したものである。前半は女性の老いについて、後半は最晩年の老いについて研究した。主人公たちは自分の遺伝子が子孫に受け継がれ自分が生命のリンクとして自然の営みに関わっているという認識を持つことで自分の存在意義を確立し老いの苦境を克服、死の恐怖を緩和することができた。「老い」に関して特に男女の性差は見られず、最晩年の作品からは、神の創造物であるこの世のすべてを受容するという世界観に従い、生も死も良きものとして受け容れた作家の姿がうかがえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む現代社会において自らの「老い」や死への向き合い方は洋の東西を問わず我々現代人の課題となっている。現代アメリカ文学を代表する作家の一人であり半世紀以上にわたって市民の生活を描き続けたジョン・アップダイクの作品における「老い」の表象を明らかにすることで、同じような現代社会に生きる我々日本人にも参考になる老いへの対処法を提示できた。 人は自分の存在意義を確立することで「老い」の苦境を克服し死の恐怖を緩和することができる。そして自分の遺伝子が子孫を通じて永遠の生命の連鎖の一部として生きながらえるとの認識は自らの存在意義の確立に大いに助けとなる。
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