研究課題/領域番号 |
17K02575
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
|
研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
古村 敏明 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (90632571)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 現代アメリカ詩 / エレジー / 喪失の理論化 / 慰めと共感 / 精神分析アプローチ / アメリカ現代詩 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究課題において、以下の成果が収められた。まず、主要成果として、学術著書、Lost Loss in American Elegiac Poetry: Tracing Inaccessible Grief from Stevens to 9/11 が2020年10月に刊行された。この著書は、現代アメリカ詩におけるエレジーの変化について考察する研究であり、lost loss、「失われた喪失」という新概念を提示して、現代エレジーを読み解く。本著は、アメリカ文学会賞を受賞するなどの評価を得た。主著書のほかは、学術論文3編の掲載、国内・国際学会での発表10件余が、本研究期間中の成果となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究では、現代アメリカ詩におけるエレジーの変化について考察する。現代以前のエレジーでは「慰め」が重要な思想基盤であったが、現代詩は「慰め」が否定または複雑化された現状と向き合う。従来の学説はこの事象を現代的懐疑主義などで説明することが多かったが、本研究では「失うことを失った」という無意識的喪失感(lost loss)によるものではないか、と提案する。この研究の目的は、文学的意義としては現代におけるエレジーの変化を解明することであり、社会的要請としてはアメリカにおける9.11、日本における3.11、個人においては親しい人の死など、常に必要とされる追悼のより助けになる形を模索することである。
|