研究課題/領域番号 |
17K02578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 比治山大学 |
研究代表者 |
重迫 和美 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (00279085)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ウィリアム・フォークナー / 語りの技法 / 物語の現実性と虚構性 / 物語構造分析 / 物語論 / ウイリアム・フォークナー / 符号表現分析 / 虚構世界の現実性と虚構性 / 虚構作品の現実性と虚構性 / 米文学 / 比較文学 / 文学理論・文学批評 |
研究成果の概要 |
モダニズム文学の代表ウィリアム・フォークナーの実験的語りの技法は,これまでも多く研究されてきた。しかし,従来のナラトロジーに代表される分析手法が不十分なため,十分に説明できない奇妙な語りの現象が残され,後期作品の語りの技法の実験が見過ごされていた。本研究は,最新のナラトロジーや認知言語学を参照して語りの技法の新しい分析手法を確立し,フォークナーの奇妙な語りの現象を解明した上で,前期は描出の「現実らしさ」を後期は「虚構らしさ」を強調する技法を彼が工夫していることを明らかにした。さらに,本分析手法をフォークナー小説以外の物語に適用し,異メディアに渡る日米物語の物語構造の比較対照研究への道を開いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,第一に,フォークナーの語りの技法研究として,これまで説明できなかった彼の奇妙な語りの現象を明らかにし,これまで見過ごされていた彼の後期作品の語りの技法の実験的意義を明らかにしたことである。第二に,ナラトロジー研究に関与する意義として,従来のナラトロジーが分析できなかったフォークナーの複雑な語りの技法を分析する手法を確立した。第三に,比較文学研究として,本研究者の分析手法をフォークナー小説以外の物語作品に適用し,日米の異ジャンルに渡る物語の物語構造を比較する研究への道筋をつけた。最後に,本分析手法が多様な物語に適用できる汎用性を持つ点で,本研究は社会的意義をも持つと言える。
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