研究課題/領域番号 |
17K02583
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒岩 卓 東北大学, 文学研究科, 准教授 (70569904)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 仏文学 / 文献学 / 演劇学 / 詩作技巧 / 写本学 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、アルヌール・グレバン作『受難の聖史劇』の聖史劇発展上の位置づけを、とくに韻文構造の諸相に注目しつつ明らかにすることである。同作品の「第一日目」の諸写本を転写した上で、とくにキリスト誕生のシーンを例にとりつつ先行作品である『アラス受難劇』と比較した。結果として、『受難の聖史劇』が当時の神学や詩作技巧の文化的コンテクストを踏まえつつ、より親しみやすく受け入れやすい形でイエス・キリストの姿を表現していること、そしてその表現がその後の約一世紀間にわたって、大きな修正を受けることなく印刷本版聖史劇でも採用されつづけたことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルヌール・グレバンの『受難の聖史劇』は、西欧の文学史・演劇史などでも有名な作品ではあるが、その実際の姿はとくに日本ではあまり知られていないといってよい。本研究課題によって、この作品の画期的な点、さらに中世末からルネサンスにいたるまでのこの作品の受容のありさまの一端を明らかにした。さらに、『受難の聖史劇』ほか中世フランス文学を日本にとり入れるにあたって重要な役割を果たした、戦前・戦中・戦後の仏文学者の業績を再検証することを通して、近現代の日本における西洋文化受容の変遷を分析した。
|