研究課題/領域番号 |
17K02609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
浅野 淳博 関西学院大学, 神学部, 教授 (20409139)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 博愛主義 / 贖罪論 / 犠牲のシステム / 新約聖書 / 旧約聖書 / 使徒教父 / パウロ / イエス / キリスト教贖罪論 / 死と命のメタファ / 旧約聖書外典 / 旧約聖書偽典 / パウロ研究 / イザヤ書 / マカバイ殉教者 / 神の国運動 / 原始教会 / パウロ神学 / 殉教思想 / マカバイ諸書 / パウロ書簡 / マカバイ書 / パウロの倫理 / パウロの改宗 / 新約聖書神学 / 社会的記憶 / ガラテヤ書 / 新約聖書倫理 / 古代神話 |
研究成果の概要 |
古代から伝わるキリスト教の行動原理としての博愛主義は、人類のためにキリストが死んだという物語を基礎に据えています。しかしこの思想は、〈神がキリストの死を要求する〉という加虐性と〈大勢の利益のために一人が犠牲となる〉というスケープゴート的構造ゆえに、現代ではしばしば批判の対象となっている。その結果として、キリスト教の人道活動の正当性、さらには他者との協働による人道活動の可能性が疑問視されている。本研究は、本来この思想が加虐性とスケープゴート的構造から遠くへだたっていることを説明し、現代の人道活動の行動原理がいかに表現されるべきかという議論に方向性を定めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、概要で述べたとおり、キリスト教の博愛思想の根源にある聖典が、神の加虐性やスケープゴート的な思想とはかけ離れていること、これらの誤解がキリスト教会の歴史の中で生じたことを明らかにした。本研究はこのような誤解からキリスト教会を開放することによって、キリスト教が他の救済組織と協働して、より円滑に博愛主義的社会活動に従事することを可能とする一助となる。
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