研究課題/領域番号 |
17K02611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 明治大学 (2018-2022) 九州産業大学 (2017) |
研究代表者 |
松原 陽子 明治大学, 商学部, 専任教授 (10610371)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | プルースト / 失われた時を求めて / ステンドグラス / 幻灯 / 生成過程 / フロベール / イメージ / 無意志的記憶 / 絵画 / フランス文学 / 風景 / 生成過程研究 / 舞台芸術 / 演劇 / 文化的背景 |
研究実績の概要 |
研究課題について学術論文「プルーストの作品におけるステンドグラスのイメージ─幻灯からステンドグラスへ─」を執筆した。本論では、プルーストの作品における教会のステンドグラスの描写を分析し、そのイメージが小説の主題や結構といかなる関連を持つのか考察した。この分析を進めるうえで、小説の生成過程を確認しながら、『失われた時を求めて』の先行作品における描写をたどり、分析を進めた。 『失われた時を求めて』で幻灯に映し出されるイメージがステンドグラスのそれに重ねられていることを踏まえ、幻灯のイメージを分析することからはじめた。『失われた時を求めて』の草稿とこの小説に先行する『ジャン・サントゥイユ』における幻灯の場面から『失われた時を求めて』の最終稿に至るまでの変遷を追った。 指摘されているように、『失われた時を求めて』における幻灯の場面で描かれるゴロの騎行は、プルーストの創作である。本論では、この描写が『青髭』や『ジュヌヴィエーヴ・ド・ブラバン』ではなく、『聖ジュリアン伝』における登場人物の騎行の場面をもとに描かれたものであると考えられることを指摘した。 じじつ、小説の草稿ですでに幻灯はステンドグラスの比喩を用いて描かれており、コンブレーの教会のステンドグラスに使われる「黒い巨大な」という表現は『聖ジュリアン伝』に登場する鹿を形容するものであったことが指摘されている。この作品で見られる色彩は、『失われた時を求めて』の草稿におけるステンドグラスの描写でも用いられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた出張などができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
作品の分析を進める予定である。
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