研究課題/領域番号 |
17K02617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊池 正和 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (30411002)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 未来派演劇 / フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティ / ルイジ・ピランデッロ / ピランデッロ / ラインハルト / 演出 / 舞台空間 / 第二未来派 / 劇作法 / 舞台美術 / 造形美術 / 総合演劇(シンテジ) / 驚愕の演劇 / 触覚演劇 / アキッレ・リッチャルディ / ピーノ・マスナータ / イタリア演劇 / Anton Giulio Bragaglia |
研究成果の概要 |
複数の場面の同時性や浸透といった構造的特徴を持つ総合演劇や観客の五感に訴える触覚演劇を提唱したマリネッティ、色彩の演劇を提唱して劇の基調となる精神やパトスの視覚化・外在化の役割を照明効果に託したリッチャルディなど、未来派演劇の劇作法を綿密に検証して、それが後のイタリア演劇の演出法に与えた決定的な影響を明らかにした。 同時代のイタリア演劇を代表する戯曲『作者を探す六人の登場人物』のドイツにおける2つの上演を比較することで、当時ヨーロッパ演劇の最先端であったドイツの演出法と萌芽期であったイタリアの演出法との差異を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近現代ヨーロッパ演劇史においてイタリア演劇は、スター俳優の身体性に依拠した19世紀末から20世紀初頭にかけての隆盛が紹介されたのち、一足飛びにピランデッロの「劇中劇三部作」におけるメタシアター的な劇作法や演出行為が誕生したと錯覚を起こさせるような限定的な取り上げ方しかされてこなかった。本研究では、20世紀前半の未来派演劇を再評価し、その舞台改革を主に劇作法と舞台装飾の観点から再検討することで、イタリア近現代演劇における演出の成立過程において、未来派演劇が決定的な貢献を果たしたことを明らかにした。それにより、ヨーロッパの演劇動向に、より正確な形でイタリア演劇を位置づけることができた。
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