研究課題/領域番号 |
17K02618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 健二 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (00283838)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ラテンアメリカ文学 / チリ / チリ文学 / チリ軍事政権 / 現代詩 / 外国文学 |
研究成果の概要 |
1973年に始まったチリの軍事独裁政権下で、亡命をせずチリ国内で文学の創作を続けたラウル・スリータとディアメラ・エルティッツは、様々な人権侵害や政治的抑圧の記憶を鎮魂という形で詩に昇華し(スリータ)、また新自由主義経済のモデル国家として急速に監視社会化が進行する中で周縁化した首都サンティアゴ貧困層等の社会的弱者にフォーカスする前衛的作品等を通じて(エルティッツ)、1989年の民政移管後にチリ社会で進んだ真相究明と和解のプロセスにおいて、文学表現の現場から一定の影響力を果たしてきたことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はチリの作家二人のスペイン語テクスト読解が主目的であったが、研究代表者は2019年9月にサンティアゴ市内の軍事政権下の様々な人権侵害の痕跡を回顧する「歴史遺構」と訪問し、サンティアゴ中央墓苑の犠牲者鎮魂碑に刻まれたスリータの詩を確認した。こうした作業を通して、チリのポスト軍政期における現実の鎮魂メカニズムと二人の作家の文学的創作プロセスとの関係性、類似点等を明らかにすることができた。実社会における記憶表象の形成に同時代の文学がどのような関係性を結ぶか、これはチリに留まらず、様々な天災、人災の「その後」を生きる人類に普遍の問題であるといえよう。
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