研究課題/領域番号 |
17K02644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
戸崎 哲彦 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (40183876)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 韓愈 / 王伯大 / 朱熹 / 昌黎集音釋 / 朱文公校昌黎先生集 / 方崧卿 / 韓文考異 / 韓集舉正 / 南剣州軍王伯大刻本 / 朱文公校定本 / 朱熹『考異』 / 『芝峯類説』 / 臨江軍王伯大刻本 / 『朱文公校昌黎先生集』 / 『昌黎先生集考異』 / 『韓集舉正』 / 昌黎先生集考異 / 南宋刊本 |
研究成果の概要 |
『昌黎集音釋』40巻は世界文学史上著名な唐代の大文豪韓愈作品の、王伯大による註釈書であり、その存在は今日まで知られていなかったが、内閣文庫に林羅山手澤本が現存する。鈔本ではあるが南宋刊本に忠実である。王伯大の註釈には新旧の二種類があり、現存『朱文公校昌黎先生集』に附録する、従って今日使用されているのは旧注(1227年)であって該書は新注(1233年)にして旧注に見られないものは50%を越え、かつその大半が他の現存南宋諸本の旧注にも見られない。また、特に詩歌の巻が充実しており、今日の佚書である方崧卿『韓詩編年箋校』を多く利用している。本書は天下の孤本にして韓愈研究上第一級の史料である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
韓愈研究は今日に至るまで汗牛充棟の量を誇るが、王伯大『昌黎集音釋』はその存在さえ知られていなかった。今日の通行本、四部叢刊本の朱熹校訂『朱文公校昌黎先生集』に王伯大「音釋」を附録していたからであるが、それは宝慶三年(1227)南剣州刊本を底本とした建陽麻沙の書坊による改編本であり、現存する鈔本『昌黎集音釋』は紹定六年(1233)官刻本であって内容を全く異にする。その史料価値は、韓愈研究に止まらず、韓愈が世界文学史上にも列せられる文豪であることによって極めて高い。本研究では鈔本40巻6冊の全文を翻字し、現存する南宋諸本(残巻を含む)と逐一比較することによってそれらの特徴・関係と価値を究明した。
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