研究課題/領域番号 |
17K02652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
松家 裕子 追手門学院大学, 基盤教育機構, 教授 (20215396)
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研究分担者 |
小南 一郎 公益財団法人泉屋博古館, 学芸課(本館), 名誉館長 (50027554)
磯部 祐子 富山大学, 大学本部, 理事・副学長 (00161696)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 宝巻 / 宣卷 / 語りもの芸能 / 紹興宣卷 / 温州鼓詞 / 目連 / 勧善 / 免災 / 宣巻 / 語りもの / 浙江 / 紹興 / 中国 / 温州 / 鼓詞 / 孤魂 / 金華道情 / 中国文学 / 講唱文藝 |
研究成果の概要 |
本研究は、中国の江南地区、とりわけ浙江における、近世以来、現代までの講唱文藝(語りもの)について、「勧善」と「免災」の機能に重点を置いて分析と考察を行なった。調査の対象は、宝巻をはじめとするテキスト(文献調査)と、これらをうたい語る藝能または宗教儀礼(フィールドワーク)とし、具体的には、「紹興宣巻」(松家)、「温州鼓詞」(磯部)そして目連の物語り(小南)について成果を発表した。これらはいずれも人々の免災への強い希求に支えられてきたが、一方、テキストを育てた場はそれぞれに異なる。同じ韻文・散文の交代の形式をもつテキストの背後に、複雑で多様な世界が広がることを、その具体的な状況とともに説明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の講唱文藝を調査して上演状況とテキストとの関係を知ることは、過去の講唱文藝のテキストの研究に示唆や判断の根拠を与える。テキストだけに拠ると、議論は往々、「あれかこれか」の単純なものになる。儒家的あるいは中国共産党的な価値観によって宗教面の実態が把握しにくくなっていることも、混乱や誤解の誘因となる。じっさいには、講唱文藝は世俗的であると同時に聖性を有し、厳肅な宗教儀礼でありつつ娯楽でもありうる。本研究は、とりわけ本国の中国で学術研究が不足または欠如している講唱文藝を調査したこと、そしてそれらを生んだ世界の多様さ複雑さにことばを与えたことに意義があると考えている。
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