研究課題/領域番号 |
17K02656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 久美子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10647994)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 文学者 / 肖像 / 絵巻 / 写真 / 近現代 / 古典受容 / 美人観 / 『源氏物語』 / 『前賢故実』 / 「公家列影図」 / 大正三美人 / 和歌 / 頬杖 / 夏目漱石 / 芥川龍之介 / 太宰治 / 三島由紀夫 / 小野小町 / 記紀神話 / 『シン・ゴジラ』 / 清少納言 / 世界三大美人 / 和泉式部 / 紫式部 / 映画 / 伝記 / 日本古典文学 / 近代 |
研究成果の概要 |
上代から近世までの代表的文学者の人物伝と肖像を横断的に分析し、近代以後、古典文学とその作者の人物像がどのように伝わり、広まったかを追う研究を、コロナ禍理由による補助事業期間延長を受け7年間にわたり実施した。伝記および肖像が取り上げられる頻度や顕彰のあり方が、現代における古典評価の価値観と密接に結びついていることを、具体的な論考を重ねることで検証した。中でも、小野小町や紫式部、清少納言といった平安女性の肖像の分析を充実させることができた。美醜意識の変遷についても論じる結果となり、幅広い分野の研究者との交流を持つに至った。研究成果は、国内のみでなく国際学会等でも発表し、活字化を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代人が古典に求める価値観を明らかにした本研究は、申請当初から文学と絵画の双方を扱う領域横断型の内容であったが、サブカルチャーを含めた現代文化との繋がりを考察し、美人観の変遷をたどる研究ともなったことで、歴史学や心理学、医学など異分野との交流を持つに至った。中でも論考『「世界三大美人」言説の生成』は特に多くの読者を得て、一般そして高校生に向けて研究成果を発信する機会に恵まれた。容姿をめぐる美意識の変化を論じ、人が画像から得る印象を分析したことは、多様性の重視、ジェンダー平等が目標となっている今日において、人々の価値観を客観視する一つのきっかけを提示できたと考える。
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