研究課題/領域番号 |
17K02673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
那須 昭夫 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00294174)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アクセント / 式保存型付属語 / 音調変異 / 中和 / 起伏化 / 日本語 / 付属語 / 変異 / プロソディ / 音韻論 / 音調 / 言語変異 / 活用形 / 言語学 / 音声学 / 日本語学 |
研究成果の概要 |
式保存型付属語とは、その結合対象である動詞での二型の音調対立を文節全体に継承する性質のある付属語のことで、「ながら・たい・そうだ」が代表的な例にあたる。近年、これらの付属語の音調には注目すべき変異が生じている。その結果、従来あった二型の音調対立は、一型のパターンへと中和しつつある。 本研究では、式保存型付属語での音調変異と中和の実態を、南関東地域での臨地調査を通じて明らかにした。また、実態の記述に加え、(1) 活用形による違い・(2) 前接動詞のモーラ数・(3) 周辺文節の音調指定のあり方が、中和の発生に影響する音韻的要因として干渉していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として特筆できるのは、現在まさに眼前で変化を起こしつつある現象の姿を同時間的に追跡し、音調変異(中和)の実態を記述し得たことと、中和の成否を左右する音韻的要因を突き止めたことである。変異の現状を逸することなく捉えられたことは、本研究の大きな成果であり、今後の言語変異研究に寄与する部分も大きい。 変わりゆく日本語の動態を実時間で捕捉することは、言語学の成果として貴重であるとともに、母語である日本語の現状に対する人々の認識の深化にも貢献し得る点で、その社会的意義も大きい。変異の最中にある現象の実態を捉えることで、より実像に近い日本語の姿に迫れたことが本研究の意義である。
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