研究課題/領域番号 |
17K02681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鄭 聖汝 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 招へい研究員 (60362638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 他動性プロトタイプ / スル型・ナル型 / 自動詞文・他動詞文 / SVO型・SOV型 / 所有表現の類型 / 他動性の顕著性 / 非意図的事態 / ヒンディー語 / DOM / 他動格フレーム / 他動性階層 / 名詞句階層 / 中国語 / 韓国語 / 日本語 / 言語間の相違 / 類型的特徴 / 文構造 / 格標示システム / マレーシア語 / 受身文 / バ構文・二重主語文 / 他動性 / パラメーター / 言語類型 / 最適理論 / 実証的研究 / パラメータ |
研究成果の概要 |
本研究は実証性に基づく他動性理論の構築を目的として、主に自・他動詞文の選択に関与するパラメータの発見に重点を置いて研究を進めた。理論的な成果として、まず80年代以来他動性プロトタイプを決定するパラメータとして意図性・影響性をめぐる議論があったが、本研究で調査したすべての言語において、非意図的事態にも他動詞文が対応できることが判明した。また最も重要な発見がヒンディー語の調査・分析から得られた;(1)ヒンディー語の所有表現は自動詞文しか対応しない、(2)受動的GETの状況も自動詞文のみ対応する、(3)他動格フレームにおいて被動作主に与えられるDOMは、意味に基づく二段構えのシステムで動いている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義として、まず日本語は英語・ドイツ語・中国語より他動性の顕著度が高い言語とされるが(Haspelmath 2015)、言語類型から見るとその結論は異なる可能性がある。次に所有表現において、池上(1981)が提唱したHAVE言語・BE言語の二元論的類型は、実は三パターンである。①英語・中国語・マレーシア語のようにHAVE型(他動詞文)を取る言語、②日本語・韓国語のようにBE型とHAVE型を両方表現可能な言語、③ヒンディー語のようにBE型(自動詞文)のみ可能な言語。本研究によって、多言語社会のコミュニケーションにおいて文化や発想の違いを原理的に理解し説明できることが期待される。
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